Interview
どんな状況でも 期待値を超える
Aiki Kato
株式会社モンスターラボ
DXコンサルタント
決め手は「意思決定者との距離」
ーまずは担当されている業務を教えてください。
私はコンサルティンググループに所属しており、DXコンサルタントとしてクライアントワークを担当しています。DX推進やデジタル化など、IT系のプロジェクトにおけるデリバリーの管理がメインです。
担当領域はおもにBtoCで、一般ユーザー向けのデジタルプロダクト開発が多いです。直近では交通系、小売系サービスの案件に携わりました。
ー工程としてはどのあたりから参加しますか。
肩書きはDXコンサルタントでPMだけでなくプリセールスのような動きや上流工程での提案も行っています。商談化前の打ち合わせから、案件への落とし込みや具体化については、ソリューションの実践知を活かした提案を行っています。
したがって、QCDSの段取りを立てて管理進行するだけでなく、お客様からのご相談内容に対してポジショニングなどビジネスの観点、UXデザインの観点、テクノロジーの観点を踏まえて提案したり、その過程でUIのドラフトを用意したりすることもあります。
ークライアントの相談は「こういうアプリを作りたい」というようなものですか?
案件次第ではありますが、最近はありがたいことに新規事業・サービスのコンセプトから相談していただくことも増えていますね。私たちの知見を活かした提案によって構想がアップデートされていくのは嬉しいことです。
これはモンスターラボに転職した決め手でもありますが、クライアントのビジネスの意思決定者と距離が近いため、インパクトを最大化できる環境なんです。ビジネス・デザイン・テクノロジーをワンストップで支援しているモンスターラボならではだと感じています。
ー担当領域があまり限定されず、スキルや知見を柔軟に発揮できるということですね。ちなみに加藤さんは2021年3月に中途入社されていますが、前職ではどうだったんですか?
前職は外資系IT企業で、海外に駐在しながらインドやヨーロッパのグローバルプロジェクトにシステムエンジニア・ビジネスアナリストとして携わっていました。日本支社に戻って2年ほどは国内大手ホームセンターのDX推進に携わり、その段階ではスクラムマスターを務めていました。
そこでは5年単位、10年単位のビジネスロードマップを他社の戦略コンサルティングが策定していることが多く、私たちはその一部分の開発を担当するケースが多かったんです。それに対して、実践知がある現場の人間としては「こうしたほうがいいのにな」と感じることもあって......それが実現できない環境にフラストレーションを感じていました。
ーそこがまさに「意思決定者からの距離」に繋がる話なんですね。
モンスターラボであれば既存のスキルセットを活かしつつ、クライアントのDX推進に上流工程から入ることができると考えました。
案件によっては、クライアント側のメンバーのマインドセットを変えるためにワークショップからスタートすることも。最近は、事業・サービスの持続性を鑑みて、まずは中の意識から変えていきたいという声も多くいただくんですよ。
DXが単なるデジタル化ではなく、デジタルによってユーザーの体験を変革するものである以上、作り手のマインドセットは非常に重要なファクターです。そのような意識レベルの変革から携われるのは非常に良い経験だと思っています。
ー意識レベルとなると、意思決定者との距離もより近いですよね。ちなみに転職の際、ほかに条件はありましたか?
前職が外資系企業だったこともあり、グローバルな企業のほうがこれまでのスキルが活きるだろうと考えていました。
モンスターラボは現在世界20の国と地域・33都市に拠点を展開しており、海外拠点のメンバーと一緒にプロジェクトを進めることも多々あります。例えばクライアントが日本企業の場合、PMは日本拠点のメンバーが担い、各専門領域は海外拠点のメンバーに入ってもらうことも。プロジェクト進行中は毎朝オンラインミーティングを行い、そこからさらにデザイン、テックなどセクション別のミーティングを実施して、かなり密に連携しています。
ーコミュニケーションを重視しているんですね。
1日1〜2時間はメンバーの誰かとずっと話している感じです(笑)。そのおかげか、メンバーも私のことをただの管理者としてではなく、決定に迷ったときに呼んでくれるなど、チームとしてとても健全な状態で進んでいると思います。
また、日本拠点だけを見ても外国籍の社員がたくさんいて刺激がありますね。スキルもバックグラウンドもさまざまなメンバーが集まり、クライアントのビジネスの成功を実現していく。私は大学時代に留学していたということもあり、ダイバーシティな環境で働くという点は、学生時代の就職活動時から変わらない重要なポイントでした。
どんな状況でも 期待値を超える
ー冒頭でも少し話していただきましたが、
これまでどのような案件に携わってきましたか?
入社後、最初に携わったのは飲食店向けプロダクトのローカライズプロジェクトです。
前職ではBtoB案件を多く担当しており、
キャリアのトランジションとしてBtoC案件もやってみたいと思っていたので、
さっそくやりたいことを叶えられた案件でしたね。
大きな案件としては2021年、ほぼ1年かけて携わったMaaSアプリがあります。クライアントは不動産会社様なのですが、対象エリア内の顧客に新たな体験価値を生み出すことが目的でした。
ー土地の価値を高めることに繋がりますよね。
その通りです。そのためには住民やそのエリアで働いている人々の利便性を上げる必要があると考えました。
プロジェクトのミッション、ビジョン、バリューが曖昧な状態からスタートしたので、まずは「このエリアを交通先進都市にする」という仮のミッションを設定し、そこから実現すべきことをブレークダウンして、着手すべき項目の優先順位をつけていきました。
ーアプリの機能としてはタクシー配車依頼などですか?
MaaSなので、より幅広い交通手段を含むものになります。当初、どのような交通手段が良いかも決まっていなかったので、バス、タクシー、レンタサイクル、キックボードにいたるまでさまざまなリサーチを行いました。競合調査などのビジネス観点でのリサーチはもちろん、ユーザーの感情的な側面の分析も進めました。
ーそれはUX調査の一環として?
そうですね。そのなかで出てきたアイデアをもとにPoCを行いました。実際に動くものを作って、実際にそのエリアで暮らしている人に使ってもらう。その結果を受けて計画を立て、本格的な開発をスタートしたという感じです。
ーつねにお客様と伴走しているんですね。
企画段階ではもちろんですし、リリース後は実際にそのエリアに行き、自分で使ってみました。あとはランディングページの制作や利用データの分析にも取り組みましたね。そのような実感値や分析結果はグロースハック支援に欠かせないものですし、来期予算の獲得を目指して一緒に提案資料を作る際にも活用できます。
重要なのはクライアントのビジネスを成功へ導くこと。サービスを作って終わりではありません。そのために、受発注の関係を超えて、同じチームの一員として活動しているという意識で取り組んでいます。
ーかなり高いレベルでコミットしていますよね。
データ分析や新機能の提案などは自主的に実施しました。裁量が大きく、自分がプロジェクトの成功のために必要だと判断したこと、さらにはそれが自分の成長にも繋がるようなことであれば、上司からは「挑戦してみなよ」と言ってもらえることがほとんどなんです。
一般的には、私のような20代後半の人材はジュニアPMとして扱われ、ここまで大きな裁量を持てないケースが多いと思います。しかし、モンスターラボでは年齢や経験のバイアスがなく、クライアントのビジネスの成功に向けてチャレンジすることが評価されるんです。
一方で、プレイスタイルが強制されることも特にありません。私のようなPMもいれば、管理に徹するPMもいる。そこもある種、ダイバーシティという感じがしますね。
自分にとっての成長の機会を自分で創出でき、市場価値を高めることができるのは、モンスターラボならではの魅力だと思います。
ー加藤さんがご自身のプレイスタイルで心がけていることは?
お客様の期待値を超えることです。どんな作業においても、言われたこと以上のものをやってみせる。一般的な開発PMには求められない知識やパフォーマンスでも、お客様によってはそこに期待があったり、プロフェッショナルとしてきちんと応えることで大きな安心感を生み出せたりします。それがDXの専門的知見をもつスペシャリストとしてやるべきことだと考えています。
ー今後目指す方向性は?
特にBtoC領域において、社内外で「DXプロジェクトを成功に導く人材」として認知されることです。デジタル化にとどまらない、システムやカルチャーを変革できる人材。そのために、クライアントのCXOレベルの方々に提案するような大きな案件にもチャレンジしていきたいです。
また、コンサルティングだけに収束するのではなく、組織全体に高いインパクトをもたらす取り組みも行っていきたいです。2022年から「アジャイル賢者会」という社内勉強会を自発的に企画・運営してきたのですが、これからも社内に散らばっているプラクティスを整備しながらモンスターラボのアジャイル・スクラム強化を測りたいと思っています。これ以外にも、ゆくゆくは海外拠点との繋がりを強化したり、新しいソリューションを創出したりして、組織に貢献していきたいですね。
アジャイル賢者会の様子。クライアントのDX推進をアジャイル・スクラムの視点から理解し、知見の共有、スクラムマスターの育成などに繋げる目的で実施されている
ーでは最後に、転職を考えている方にメッセージをお願いします。
モンスターラボは、組織としては成長段階でありながら、案件としては国内トップレベルの企業のパートナーを組み、DXを推進するものが増えてきています。つまり、裁量が大きく主体的にチャレンジできるカルチャーがある一方で、大きなインパクトを創出できる案件に携わることができる、絶妙なタイミングなんです。
私自身の体験も踏まえると、実績をどんどん積んでキャリア形成を加速させたい人には特に魅力的な職場だと思います。
ー特に20代後半あたりだと、他の会社ではジュニアPMとして任される範囲が限定されそうなことも、モンスターラボではチャレンジの機会がありそうですよね。
その通りです。また、これまで自社サービスがメインでクライアントワークにあまり携わったことのない方でも、身構えずにチャレンジできると思います。先ほどもお伝えした通り、成功にコミットできるならばプレイスタイルは限定されないので。いい意味で、モンスターラボという組織の土台を利用しながら、自分の成長に必要なことに取り組めるので、とても充実した働き方ができると思います。