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Interview

ファイナンス部門を強化し企業価値を最大化。グローバルな環境で進化するCAOの眼差し

目黒 喬弘

株式会社モンスターラボ​ホールディングス

​経理財務本部長CAO

CAOとして経理財務を統括。ガバナンスとダイバーシティの調和をめざして

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ーまずは現在の担当業務について教えてください。

経理財務本部長として経理財務面を統括し、決算短信や四半期報告書、有価証券報告書といった制度決算を開示するための一連の工程に携わっています。また、当社は世界20の国と地域、33都市に拠点を擁しています。そのすべてとやりとりしながら経理財務面の課題を掘り出し解決へと導いていくのも私の仕事のひとつです。

海外だけでなく、本社内の関係部門と連携して動くことも少なくありません。予算や資金の管理、調達や運用といった、会社がこれから使うお金を管理する部門はもちろん、IRや社長室、法務などとも連携しながら業務を進めています。

経理財務本部長としての大きなミッションは、企業価値の最大化です。そのために、経理監査面からできることは、正しい情報をタイムリーに提供し、当社の健全な経理財務状況を株主の皆さまに伝えることだと考えています。

ー経理財務本部のメンバーについて教えてください。

税理士法人や税理士事務所出身の中途社員が中心で、私の上司にあたるCFOや、監査法人を経て入社した私の部下など、部門全体で4名が公認会計士の有資格者です。

ー海外拠点とはどんなコミュニケーションを取っていますか?

チャットツール上でのテキストベースのコミュニケーションが8割を占めています。オンラインでのミーティングは2割ほどで、互いの顔を見ながら温度感や、正確に理解できているかどうかを確認しています。

情報を一元的に把握する各リージョンのトップとのやりとりが中心ですが、彼ら、彼女らが持っている情報はハイレベルで限定的です。経理には、具体的な会計処理や細かい情報が必要なので、ほしい情報のレベルにあわせて、さまざまな部門、さまざまな国のメンバーと直接コミュニケーションを取るようにしています。

現場を知らないと、経理財務本部長として現実的な意見が出せないというのが私の考え。立場上は管理職ですが、複雑なデータ分析をしたり成果物を作成したりするところには可能な限り顔を出すようにしています。

ー事業拡大にともない、経理財務にはさまざまな課題があると思います。責任者としてどう対処していますか?

突発的にイレギュラーな問題が発生することも少なくありません。とくに海外とやりとりしていると、言語や文化の違いから、認識の齟齬が生じたままプロジェクトが進んでしまうことも往々にしてあるんです。

たとえば、いつまでに、誰が、このタスクを行うか、などしっかりと認識を合わせても、どこかでズレが生じてしまう。そうした起こりうるリスクの程度を予想し、突発的な問題にも対処できるだけの「対応力」を備えておくよう心がけています。

ただ私がこの会社に入社したのは、マニュアル通りの定型的な業務ではなく、型にはまらない臨機応変さと機転を求められる業務に挑戦したかったから。当社はいろんなプロジェクトを同時並行的に処理していく中で、突発的にイレギュラー問題が発生するので、マルチタスクが求められます。

どんな状況にも主体的に取り組めるだけの気持ちを持っていると、仕事へのモチベーションも上がっていくしやりがいも感じられるんです。対応スキルが高まるのを実感できているので、そうやってイレギュラーな事態に直面することを前向きに受け止めています。

監査する立場から、現場へ。より成長できる環境を求めて

ーモンスターラボホールディングスに転職するに至った経緯を教えてください。

大手監査法人に7年半ほど勤め監査仕事に携わる中で、他の仕事がしてみたいと思うようになりました。とくに企業の財務経理機能を監査という立場で外側から見るのではなく、内側から見てみたいという想いがありました。

そんな中で出会ったのが、モンスターラボホールディングスです。当時の当社はIPOの準備を控えたフェーズ。私は監査法人時代にIPO監査を経験していたので、自分が貢献できることがあるだろうと考え興味を持ちました。

また当社では、私がそれまで扱ったことのなかったIFRSという難易度の高い会計基準を使っています。自分にとって成長の伸びしろがとてもあるのでは、と感じたことも当社に惹かれた理由のひとつです。

もうひとつ、英語を駆使しながら仕事がしたいという気持ちもありました。当社には世界の33都市に拠点があります。それまで業務で英語を使った経験がなかったので、新たなスキルが身につく成長環境があることはとても魅力的でした。

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ー安定した大手監査法人からベンチャーに転職をすることへの不安はありましたか?

まったくなかったです。むしろ新しいことに挑戦できることへのワクワクした気持ちだけがあったのを覚えていますね。たとえ激務であったとしても、仕事の仕方や優先順位を裁量持って決めることで、主体的に仕事に没頭できると思っています。だから、全体のバランスを考えながら取り組めるこの環境がありがたいですね。

ー入社を決めた理由は?

当社が多国籍展開していたこと、いまでは当たり前となったDXにいち早く取り組んでいた点に強く惹かれました。また、3回ほどIPOを経験していた当時の副社長の、人を巻き込む力に強く引き寄せられたことが決め手になりました。強者でした。

ー入社時に期待されていたことを教えてください。

20の国と地域にまで展開している企業がIPOを実現するための監査証明に手が届くところまで経理レベルを引き上げることが私に課されたミッションでした。自分が挑戦したいと考えていた経理実務と英語に取り組める環境が入社してすぐに与えられたことはとても幸運でした。

前職で培った経験に新たなスキルを掛け合わせ、次なるステージへ

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ー入社後、英語力の向上にどのように取り組まれていますか?

リモートワークをベースに、フレキシブルな働き方をさせてもらっているので、空いた時間を見つけてはオンライン英会話を利用しています。レッスンは回数無制限。しかも5分単位で受講できるので、隙間時間を使ってフリートークを重ねてきました。福利厚生の一環でサービスを安価に利用できているのでとても助かっています。

また、海外のメンバーに対してミーティングの実施を積極的に持ちかけたり、発言したりするよう心がけています。あえて英語を話す環境に自らを置くことが上達するための近道だと考えているからです。

ー前職と比べて、仕事との向き合い方に変化はありましたか?

監査法人時代は、国がそう決めているから、上司が指示するからという理由で対応していた仕事もありました。

一方、当社では、自分がやるべきだと考えていることが、会社の要求と一致している感覚があります。やりたくないこと、なぜやるべきか理解できないことをしなくてはいけないストレスがまったくありません。どのタスクも、完全に腹落ちしながら進めることができています。

ー前職での経験が活かせていますか?

監査をするには経理の知識が欠かせません。前職で培った会計に関する知識全般、論理的な思考能力はいまも活かせていると思います。

また、監査の仕事では、複数のプロジェクトを同時並行的に走らせるのが一般的です。作業に優先順位をつけながら取り組む必要があったので、マルチタスクをこなすスキルが身につきました。幅広い仕事を任せられている今も大いに役立っていると感じます。

ー仕事とプライベートのメリハリをつける上で心がけていることはありますか。

さまざまなタスクがある中で、“やるべき/やらざるべき”をまず見極めます。その上で、“やるべき”と決めたタスクについては、どの程度のリソースを割いてどの程度の成果物に仕上げるべきかを判断するようにしています。

というのも、すべてのタスクを100%の力でやろうとすると、仕事だけで1日が終わってしまうからです。タスクの優先順位や重要度をうまく嗅ぎ分けながら、プライベートの時間を確保しています。

こうした嗅覚は前職で身につけたもの。当時の上司から「なぜ?」と繰り返し理由を問われ、そのたびに掘り下げ続けたことで、物事の本質が理解できるようになりました。何のために、いつまでに必要なのか、やらなかったらどうなるのかなど、課題を分析する力、深掘りする力は、前職で得た最大のスキルと言えるかもしれません。

ー本業のほかに副業もされていますか?

やっています。パフォーマンスを最大化しつつプライベートの時間も捻出するなど、限られた時間の中でいろいろなことを同時並行的にこなすスキルを身につけたいと考えているからです。

ー家庭での役割分担は決めていますか?

明確には決めていません。漠然と決まりがあって、子育てに関して妻だけでは対応できないような突発的な問題が起こったときには積極的に助けるようにしています。

さらなる事業成長に向けて、決して立ち止まることのないチームづくりを

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ー今後、どのような存在になっていきたいと考えていますか?

入社してちょうど3年が経過しましたが、英語でのコミュニケーションに抵抗を感じないレベルにはなってきています。これからの課題は、相手の心をつかんで動かすこと。さらに英語力に磨きをかけながら、人間力や人心掌握術を高めていきたいと考えています。

そのために欠かせないのが信頼関係の構築です。しっかり腹落ちしない限りメンバーたちは行動しませんし、ビジネスライクなやりとりだけだと仕事への士気が下がってしまうことがあるもの。国ごとの文化的背景やそれぞれのキャラクターを理解しながら、根気強いコミュニケーションが必要だと思っています。

業務の面で言えば、依然として企業価値の最大化がミッション。その実現に向け、経理財務のみならず、さまざまな角度から貢献していきたいですね。

ーどんな人材を求めていますか?共に働きたい人材について教えてください。

経理財務部門はいま成長の途上にあり、主要なメンバーが仮に抜けたとしてもびくともしない組織づくりをめざしています。幅広く横断的に、さまざまな業務に対して前向きな人に来ていただきたいですね。

また、英語力も欠かせません。以前の私のように、英語への学習意欲が高く、新しいスキルを身につけてさらに成長したいと考えている人の参加を期待しています。

ーモンスターラボホールディングスの魅力、おもしろさはどんなところにあると思いますか?

突発的な問題が起きた際、経理だけでなく、会社の利益や株主、投資家、銀行、クライアントなど、あらゆる角度から検討しなくてはなりません。また、海外のメンバーとのやりとりが欠かせないため、他国の言語や文化に配慮する必要もあります。

さまざまな軸で事象と向き合えるのは、モンスターラボホールディングスならでは。ほかの会社では経験できないおもしろさがあると思っています。 

※ 取材内容は2023年5月時点のものです

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