
Interview
上長や先輩にチャレンジの相談がしやすく
実現に向けてサポートを受けられる環境
Nahoko Okamoto
株式会社モンスターラボ
ITコンサルタント(2020年入社 新卒)

DX推進上の"安心"を支援する
ーまずは現在の担当業務について教えてください。
今はビジネスデザイングループに所属しており、クライアントのDX推進のための企画設計・戦略策定などをセキュリティ面で支援しています。いわゆるセキュリティコンサルティングですね。
プロジェクトとしてはセキュリティアセスメント、つまり情報セキュリティ関係のリスクを発見し、分析・評価するものが多いです。また、近年では企業へのサイバー攻撃が大きな問題となっていることもあり、インシデント発生を仮定したサイバーセキュリティ演習、社員の皆様へのセキュリティ教育なども提供しています。
ー企業のDXやデジタル化が加速するなかで、大きな需要がある領域ですよね。
トレンドマイクロが2021年に公表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進におけるセキュリティ動向調査」によると、DX推進担当者の9割以上が自社のサイバーセキュリティ対策を懸念しており、3割は実際にセキュリティインシデントを経験しています。新たなテクノロジーの導入により開発環境や利用状況が多様化しているので、とても重要な領域の1つだと考えています。
ーセキュリティアセスメントでは、お客様とはどのようなコミュニケーションをとっていくのでしょうか?
まずはお客様からお問合せをいただくところから始まります。インシデントが発生してからご相談いただくこともありますが、どちらかといえば、セキュリティ対策に対する焦りはあるものの何から始めるべきかわからないというご相談が多いです。
ー"焦り"というのは?
自社が一般的なセキュリティガイドラインをクリアしているのかわからないという声や、社内のシステムの管理状況を把握しきれていないという声もありますね。最近ではテレワークにおけるセキュリティ確保への不安の声も。
現状をしっかり分析・評価しないことには、どのようなアプローチが適切か、どのくらいのリソースが必要かも決められません。それがいっそう焦りを増幅させている側面もあると思います。
ーなるほど。お客様はサイバーセキュリティの専門的知見がない方がほとんどだと思いますが、コミュニケーションで工夫していることは?
課題のヒアリングではISMS(※)にそって進めるのですが、わかりやすい言葉に言い換えたり、具体例を出しながら質問したりしていますね。
※ISMS:情報セキュリティマネジメントシステム。情報の「機密性」「完全性」「可用性」を維持するためのマネジメントシステムを指す
そこからセキュリティ対策レベルを評価し、ロードマップを作ります。クライアントの状況、会社規模やリソースなどを鑑みて対策の優先順位をつけ、報告書にまとめていきます。
報告時の工夫としては、内容についてしっかり合意できており具体策に落とし込めていることはもちろん、担当者の方がセキュリティ予算を確保しやすいよう、例えば社内周知しやすいような説明などを心がけています。セキュリティは売上に直結するものではないため、肩身の狭い思いをしている担当者の方もいるのが現状なんです。そこをできるだけサポートし、担当者の方がセキュリティ業務を進めやすいような提案をすることも重要だと考えています。
ー現在入社3年目ですが、岡本さん自身の業務としては?
2年目の終わりくらいから案件のプロジェクトリーダーを任せてもらえるようになり、クライアントとの連絡窓口のほかメンバーのスケジュール管理や作業内容のレビューを行うようになりました。3年目に入ってからは予算管理、スケジュール進捗管理、会議のファシリテーションなども担当しています。
また、これまでのセキュリティコンサルタントとしての学びを活かし、2022年4月には新規サービスを立ち上げました。立ち上げ後は、マーケティンググループなど他部署と連携しながら拡散にも取り組んでいます。
ーどのようなセキュリティサービスを立ち上げたんですか?
チェックリストを用いてリスクを可視化し、対応策を導き出すセキュリティ診断サービスです。1週間のスプリントを3回、つまり3週間という短期間で診断を行うので「セキュリティ・スプリント」と名付けました。チェックリストには国際規格「ISO/IEC 27001」で示されているISMSの内容と、DX企画時に考慮すべき内容を反映しています。

「セキュリティ・スプリント」の報告書イメージ。データ管理やクラウド活用におけるリスクなど、合計6パターンのリスクを特定し、費用対効果を踏まえた対応方針を最終報告する。リスク評価は、100点に近いほど情報セキュリティリスクが高いことを指す
私の場合、2年目の冬あたりに上司から「やってみないか」と声をかけてもらい、新サービスの企画を考えていました。DX推進支援と親和性が高く、活用されやすいものは何かという視点から、たたき台を作って何度もレビューしてもらったんです。
サービスはまだ始まったばかりですが、先月もセキュリティ・スプリントにご興味のあるお客様からお問合せをいただきました。煩雑化する事業のなかで、セキュリティ対応が"モグラ叩き"状態になっていることに強い懸念を抱いていらっしゃったんです。
ー重大なインシデントがいつ起きるかわからない、不安な状態が続いていたんですね。
お客様が安心してDXを推進するうえで、情報セキュリティに関するリスク、影響範囲などをしっかりと把握し、コントロールできる状態を保つことは非常に重要です。ときには研修などを通じて、お客様のセキュリティ意識の向上などもサポートしながら、安全な事業・開発環境の構築に寄与できればと思っています。